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吉井 賢資; 中村 彰夫; 阿部 英樹*; 森井 幸生
Journal of Solid State Chemistry, 153(1), p.145 - 151, 2000/08
被引用回数:4 パーセンタイル:16.43(Chemistry, Inorganic & Nuclear)斜方晶構造を有するペロブスカイト混晶系CeNdTiOでは、0.5x1の範囲内で、直流帯磁率-温度曲線の20-60Kに帯磁率ピークが観測される。この現象に関し、電気抵抗、交流帯磁率及び中性子散乱によって調べたところ、以下の結果を得た。(1)電気抵抗は、ネール点(約100K)近傍で、その温度依存性が変化する。(2)低温4.5Kでの磁化は、対数依存性を持って緩和する。(3)帯磁率ピーク温度近傍で、非線形交流帯磁率が正に発散する。(4)中性子散乱から、ネール点以下の温度で時期ピークは存在しない。これらから、帯磁率ピークの出現は、スピングラスあるいはクラスターグラスといったランダム状態の生成によって磁化が減少したためと考えた。また、CeあるいはNdをほかの希土類イオンに置換したいくつかの類似系では、帯磁率ピークは観測されなかった。
吉井 賢資; 中村 彰夫
Physica B; Condensed Matter, 259-261, p.900 - 901, 1999/00
被引用回数:3 パーセンタイル:22.8(Physics, Condensed Matter)ペロブスカイト構造を有するチタン酸化物の混晶を作ることにより、以下のことを見いだした。(1)LaからSmまでの希土類について、LnLn'TiO(LnとLn'は希土類)は斜方晶ペロブスカイト構造をとる。(2)LaSmTiOとLnNdTiO(Ln=CeとPr)のみで、混晶の帯磁率-温度曲線にピークが現れる。ピークの現れるxの値は前者では0≦x≦0.5、後者では0.5≦x≦1.0である。(3)ピーク温度近傍では磁化にヒステリシスが現れ、磁気秩序があることがわかったが、それ以下の温度では系は常磁性的となる。(4)低温で、磁化が時間の対数にしたがって変化する。(2)は、希土類イオンによって系の性質が大きく変わることを示し、また(4)は低温でのスピングラス相の生成を示唆する。